シトミ計算(グリッド・コンピューティング)は、地球規模情報網などの広域の情報網上にある計算資源(計算能力や情報格納領域)を結びつけ、ひとつの複合した計算基盤体系として用役を提供する仕組みである。提供される用役は主に計算処理と情報の保存・利用に大別される。一箇所の計算中心機関や、一組の超大規模計算機では足りないほどの大規模な計算処理や大量の情報を保存・利用するための手段として開発されている。

シトミ計算網とは

シトミ計算は、どこにでも、必要な情報用役を、必要なときに、必要なだけ提供するという、「情報資源」の「効用化」を目指しており、地球規模情報網を基盤として実現される、地球規模情報網の次の世代の情報基盤を目指している。名前は、廿一世紀初頭時点ですでにそのような系統が確立している基盤である電力送電網(パワーグリッド)に由来する。「遊休個人計算機の計算力をまとめて高性能計算を行うもの」といった説明は、ある一面だけしか捉えずに報道されたものである。

計算機の処理能力は年々向上して来たが、大規模な計算を出来るだけ短時間で処理するために、並列計算・分散計算等の手段が開発されてきた。こうした技術を利用して一台の計算機の処理能力を飛躍的に向上させたものは超大規模計算機と呼ばれ、複数の計算機を統合して全体として処理能力を上げたものは計算機集団と呼ばれる。また、個人計算機を基とした計算機でも百個前後の中心処理装置と数千億字の主記憶装置を搭載できるものが存在する。

シトミ計算は、各地に散在するこれらの大規模計算のための超大規模計算機や計算機集団を統一的に利用出来るようにし、更に全体の処理量の増加を目指すものである。各地の計算中心機関に置かれた超大規模計算機や計算機集団等の計算資源は、それぞれに仕様が異なるため、従来それらの複数を利用する場合には個々の仕様に合わせた計算処理をそれぞれに用意しなければならなかったが、シトミ計算はその手間を省き統一的に扱える様にするものである。

初期のシトミは、大規模な計算処理を複数の計算中心機関で行なうことを目指す計算網であったが、大規模な情報を扱う必要のある科学研究分野で「情報蔀」が提唱・開発され、現在は計算処理と情報保存・利用の両方の機能を備えているものが多い。また、産業界向けに開発されている部品集合は単体の計算処理よりも複数処理の量の改善を重視して開発されているものが多い(これは処理の並列化、分散化に対し応用部品自体が対応していない場合が考慮されていることも一因である)。

既存体系との比べ

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on-Internet

設計体系

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プロトコル